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「・・・しんぶん・・・配達しなきゃ・・・」。祖父の最後の言葉だった。
命の火が消える、その瞬間まで祖父は新聞配達のことを心配していた。
ぼくが初めて祖父の新聞配達を手伝ったのは、五年前の小学校五年生のときだった。
深夜に目が覚めてトイレに行くと、祖父が降り積もる雪と格闘していた。車がすっぽり埋まるほどのドカ雪で、暗闇の中、一人雪投げをする祖父を、ぼくは放っておけなかった。急いで着替えて雪投げを手伝い、そのまま新聞配達にもついていった。吹雪の中の新聞配達は、想像を絶する重労働だった。新聞に雪が付かないように、ビニールを四重に巻きつけ箱に入れて、ソリに積む。箱から取り出した新聞は一部ずつ懐に入れて、軒先まで大切に運ぶ。
仕事の厳しさを祖父の背中に学んだ。祖父の魂は、ぼくがしっかりと受け継ぎ、毎朝心を込めて新聞配達している。
七月一日、今日は祖父の命日である。ぼくは朝刊をそっと抱きしめた。
札幌市西区 角谷 千飛路(16)
(社)日本新聞協会
ふれあいの詩
第13回 新聞配達に関するはがきエッセーコンテスト
入賞作品集より
新聞販売大全集